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episode.03 (ページ5/5)

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「だから恩を仇で返すなと言ってるだろうが」

恩て、恩て……このことかよッ!!

宗家でネジが告げた謎の言葉の正体が判明しても、私は喜ぶどころかクッと呻き声をあげただけだった。
確かにこれを恩と言われれば反論できず、口をつぐむしかナイ。
不機嫌な顔で黙り込む私にネジが平たく持ちかける。

「それにずっととは言ってない。少しの間、協力しろと言ってるだけだ。今週末の見合い話が確実に破棄されて落ち着いたら解放してやる。そうだな、二週間、今日から二週間でいい、俺の恋人役をやれ。俺に対する恩返しだ。それが嫌なら契約と思え。そのくらいいいだろう?」
「そんな、恩返しとか契約とか言われても……!!」

そこまで言うと、すかさずネジが

「まさか断るとは言わないよな? この俺に」

白眼全開に私を凝視した。
まわりには、なんなら今ここで経絡系を断ち切ってやろうか? 的なオーラがこれ見よがしに立ちのぼる。

「協力するよな?」

ボソリと告げたネジの異様に低い声音に、

「か、かしこまりましたぁッ……」

ひどく声を裏返らせ、私は反射的にその場に土下座した。
白眼という世界最強の兵器に脅され、私の心はあっけなく「今日から二週間ネジのなんちゃって彼女役」という契約書に捺印を押させられた。





to be continued.
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