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episode.03 (ページ3/5)

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おまえはぁぁぁーーー!!
マジ自分のことしか考えてないんですけど、この人!!
世界の中心、自分だと思ってるだろ?!
思ってるよな?!
思ってるよ!!
白眼あれば人の心を動かせるって思いまくりだよ、コノヤロー!!

あまりのヒドイ扱いに私は必死に抵抗の言葉を口にする。

「私は絶対にッ……!!」
「お前、忘れたわけじゃあるまい?」

私の反論を途中で制してネジが私をまっすぐ見つめた。
その視線に思わずビビりながら訊ね返す。

「な、何を……?」
「お前がなんとかのフィギュアを買うから任務に行けないって言いだしたことだ。あのとき俺が代わりに行ってやっただろうが。しかも事情を火影様に内密にしてやったのは誰のおかげだと思っている? 全部、俺の……」

ネジの言わんとすることに非常に心当たりがあった私は、あきらかに視線を泳がせた。

あのことか、クソッ。

チッと心の中で舌打ちを漏らし、私は今の今まで自分の記憶からすっかり抹消されていた「あのとき」のことを苦々しげに噛みしめた。
機動戦士カンタムSEEDの登場人物アズラン様の限定着ぐるみシリーズ河童フィギュアが発売されたあの日、私は任務を放棄してアズラン様を買いに走っていた。



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