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episode.02 (ページ6/8)

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冷静に考えれば随分ありきたりな手である方法に今の私の頭はすっかり感心して、それと同時に、

なんだ、じゃあ、もうこれで縁談話は壊れたわけだし?
このまま黙って座ってれば私もじきに解放されるんじゃな〜い。

黙ってすわってればいい、と言ったネジのセリフを思い出し、心の中でうなずくと、ふいに生じた安心感におのずと口元がほころんでゆく。

ふふふ……。
あぁ、よかっ……。

「ただし」

―――?!

私の心の安寧を破るようにヒアシ様の声が室内に轟いた。

「名無子さんには日向家に嫁ぐ者として花嫁修業をしていただく」

は?
はぁ?
花嫁修業ッ?!

新たに湧いた申し出に反応しきれず再びネジに視線を送ると、さすがにネジも驚きの表情を浮かべ、

「花嫁修業、ですか……」

と、呟いている。

「あぁ。分家とはいえ、代々続く日向家の嫁になるのだ。その名に恥じぬような作法を身につけてもらわねば困る。そのためには、しばらくの間お前の家に泊まり込みで礼儀作法を学ぶのがよかろう」



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