Break for
episode.28 (ページ3/3)

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それに、うまい具合に私は忍という職業柄、尾行や潜入はお手の物、ネジを追いかけ様子をうかがい見たところで、ばれるようなヘマなどしない自信もある。
私は心を決めて、部屋を飛び出した。

今ならまだ追いつける。

私はドカドカと勢いよく廊下を抜け、玄関に辿りいた。
と、そのとき――。

「どちらに行かれるのですか、名無子さん?」

背後から、今、一番会う必要のない人物の声が降り注いだ。
バッと後ろを振り返る。
案の定、そこにはしわくちゃ顔のちっこい天敵、フミさんがいた。

「あ、イヤ……あのォーー」

フミさんに瞳……があるらしき、しわに埋もれた場所から鋭く見上げられ、私の返答もしどろもどろになる。

……つ、つぅーか、マズくね?
コレ、完全にマズくね?!

ネジを追いかけることばかりに意識をとられていた私は、日向家最大級の困難受難の存在をすっかり忘れきっていた。
そうなのだ。
今の今まで、私は……。

この家から出してもらえたことないんですけどォォオーー!!





to be continued.
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