Break for
episode.27 (ページ2/2)
あきらめ顔でもう一度、仕方ない、という言葉を繰り返すと、ネジはスッと私に視線を寄こした。
「第一、なんでお前がそこまで怒るんだ」
そんな必要ないだろうと言いたげな目で真っ直ぐ見つめられ、私はウッと言葉を飲んだ。
確かにその通りです。
ネジがお見合いしようがしまいが、私にとっては利益も不利益も生じないわけで。
でも、なんかすごく腹が立つ。
腹が立つっていうか、イヤなんだ。
ネジがお見合いするなんて――。
「だって……お見合い壊すために私がこんだけ苦労して協力してやってんのに……。それでもお見合いするなんてさ……」
ぶちぶちと、私は言い訳がましく呟いた。
「それについては悪いと思っている。本当にすまない」
ネジがめずらしく、思いやりにも似た温かさのこもるまなざしを私に向けた。
その視線を受け止めて、私は黙り込んだ。
あぁ、違う。
違うんだ、ネジ。
私が苦労したとか、お見合いされたらそれが水の泡になるとか、本当はそんなことじゃなくて。
私は、ただ、ネジがお見合いをする、そのこと自体が、とってもイヤなんだ――。
自分の苛立ちの根底にある真の理由に気がついて、私は思わず泣き出したくなった。
to be continued.
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