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episode.26 (ページ1/3)

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『任務か終わったら、帰りに私のところに寄ってほしい』

ヒアシ様からの遣いの忍者は、俺にそう伝えると去っていった。

宗家に寄ってほしいとは、ヒアシ様は俺に一体なんの用だろうか?

皆目、見当もつかないまま、任務を終えた俺は宗家の門をくぐった。
いつも通される客間の和室で待つほどもなく、ヒアシ様はすぐに姿を現した。
上座に坐し、さっそく口を開く。

「すまないな、任務帰りに呼びだしてしまって」
「いえ、大丈夫です。それより、何かお急ぎのご用でも?」
「そう、そのことなんだが」

俺の切り返しに、ヒアシ様は歯切れの悪い口調で先をつづけた。

「名無子さんという恋人がいる身で本当にすまないが、ネジ、お前には明日、お見合いに行ってもらいたい」
「は?! それはどういう……」

あまりに唐突な申し出に、ヒアシ様を凝視した。

見合いの話なら恋人がいるということで断れたはずじゃないのか?
今さら、なんで……。

納得しかねる俺の胸中を察してか、ヒアシ様は俺にもっともだと言いたげな表情を浮かべ、事情を話しだした。

「先方のお譲さんが、どうしてもお前とお見合いをしたいそうなのだ。もちろん、お前に恋人がいるということもお伝えした。だが、それでもお願いしますと頼まれてな……。あちらも木の葉の忍として名の知れた一族だ。無下に断るわけにもいかず、こうしてお前にお願いすることになってしまっている」



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