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episode.23 (ページ4/5)

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「オイ」
「えッ?!」

自分の胸に疑問を投げかけていた矢先、不意にネジから声をかけられて、私は動揺いっぱいの返事をかえした。

「な……なに?!」

ビクつくように訊ねる私とは対照的に、ネジは悔しいくらい落ちついた、けれど、いつものヤツ独特の冷ややかさが抜け落ちた穏やかな声を静かに発した。

「お前、家に帰るか?」

は?
家?

私は一瞬あんぐりするも、急いで表情を引き締めた。

「何それ、どーゆー意味よ?」

言われた言葉の意味はまったく理解できていない。
だって、突然、家に帰るかだなんて、一体なんの話だろう。
私は、消毒を終え、今度はその手に包帯を巻き始めたネジの顔をマジマジと見つめた。
視線を上げすらせず、ネジは顔を伏せたまま包帯を巻き続ける。

「言葉の通りだ。この家から自分の家に帰るかと聞いている」
「自分ちに……? いや、それじゃあ、ネジの縁談話が……」
「まぁ、見合いは行かなければならなくなるだろうな。しかし、予想以上にお前に無理をさせている。だから……」
「大丈夫!」

私はネジの言葉を遮り、言っていた。



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