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episode.23 (ページ2/5)

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私の指には先ほど板を叩き割っていてできた傷とは明らかに別の、指のしわに沿ってパカッと開いた傷口がいくつも赤く点在している。
それは慣れない水仕事でできたアカギレたちだ。
どうやらネジはそのアカギレのひどさに少しばかり驚いたらしい。

「家事って水使うこと多いからね。だからできたみたい、アカギレ」

なんとなくバツが悪くて、手を引っ込めつつそう言うと、

「ちょっと待ってろ」

ネジはスックと立ちあがり、廊下の奥へと姿を消してしまった。





数分待たされたあと、ネジが再び姿を見せた。
別段さっきと変わらぬ姿に、

「どうしたの?」

私が首を傾げて見上げると、

「いや、アカギレに塗る軟膏を探しに行ったんだが……すまない、切らしているようだ。見つからなかった」

ネジは冷静に事情を告げて、私の隣に座った。

「いいって、わざわざ軟膏なんて。そのうち治るから、このくらい」

私は指の節々にできた傷を眺めつつ告げる。
だが、その返事はネジにはどうも不満だったようだ。
機嫌を損ねた棘のある口調でネジは私に答えてよこした。



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