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episode.22 (ページ2/4)

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「一体なにをしているッ?!」

棘だらけの叱責声に目を上げれば、和室の入り口に怒り心頭としか言いようのない顔のネジが立っている。

「あ、ネジ。ヒナちゃんの稽古、終わったんだ?」

私はようやく板に打ち込む拳を止めると、スクッと立ち上がって顔を向けた。

「お帰り」
「お帰り、じゃない!! どういうことだ、これは!!」

普段通りの私の態度にさらなる憤りを募らせたのだろう。
ネジはひと際大きな怒鳴り声をあげ、苛立ち全開に私とその足元に転がる亀裂だらけの板を睨みつけた。
だが、すぐに息を飲む。

「おまッ……この板ッ……!!」

どうやらネジも気づいたらしい。
自分が目を見開いて見つめているその板がこの日向分家の、おそらくは何よりも大事に大事に崇めたてまつってきたであろう家例そのものだということに。

「なんてことを……してくれてんだ、キサマァァアッーー!!」

ネジの全身から怒りがほとばしる。
その怒り方はしゃれにならないくらい本気モードで、散々ヤツの激怒を食らっている私でも、今まで見た中で一番手がつけようがないと思ったほどだ。



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