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第5話番外編 (ページ12/13)

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そうなんだ。
箸にしたって、カツ丼にしたって、正真正銘、ネジがさっきまで口にしていたもので――。

コ、コココ、コレって、え?!
えぇ?!
間接キ……ぐはぁぁあああっ!!

あまりの衝撃的事実に耐えきれなくなった私は胸元を押さえ、畳の上にもんどり打った。

なんだって、そんなことにッ……?!
っつぅーか、アイツ、平然と食いかけの丼ぶり渡してくんじゃねぇーよ!!
って、奪い取ったの私だろーが、チクショウッ!!

自分を呪うと同時に、ネジのあのまったく意に介さぬ冷静な態度が思い出される。
ヤツはきっとこの事態に気づいていないか、さもなくば、この程度の間接……ぐはッ!! のことなど、なんとも思っていないといったところなんだろう。
だったら、私だって気にする必要なんかナイに決まっている。
ないないないない、もう、この際、忘れてしまうにこしたことはない。

そ、そっそそそそ、そう、忘れよう!!
忘れるのが一番ッ!!
いや、私だって、そんな、間接……ぶぼばッ!! なんか全然、気にしてるわけじゃないし。
ホントそのくらい日常茶飯事な話なわけでッ。

心でそう言いいはしているものの、私は稀に見る慌てぶりで封印術やらおかしなまじないやら、とにかく思いつく限りの方法で、自分の記憶の一部を抹消しようと躍起になった。

とにかく、これは、なかったことにッ……!!
ひぃぃぃいい……。

そうして、辺りは夜に包まれていく――。
日向家にやってきた初日、私はカツ丼と相方厳選ベストDVD、それからネジとの……を手に入れた。





for dear KAZUWA.
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