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第5話番外編 (ページ8/13)

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私はネジにくっついている、若干卵を含み黄色がかったご飯粒から視線をそらし、段ボールへと目を向けた。

そ、そうだよ、まさか、カツ丼しか入ってないわけナイし!!
ちゃんと他のモノも送ってきてくれてるって!!
なんだ、もう、カツ丼だけ届いたのかと思ってビックリしちゃったじゃんよ。

再び期待を取り戻した瞳で、私は箱の中を覗き込んだ。
今度こそ、あるに違いない。
私の望む――

「ん? なんだ、コレ?」

視界に映ったモノに首を傾げた。
手にとってみたそれは薄っぺらいプラスチックのケースで、中には円形の光ディスクがおさまっている。
そのディスク面をよく見てみると、なにやら文字が書いてあることがわかった。

「なんて書いてあるんだ?」

ネジに問われるまま、私はディスクの文字を読み上げた。

「えっとね……父厳選」

――『相方ベストコレクション』

力いっぱい壁に投げつけた。
剛速球で飛んでいった父厳選『相方ベストコレクション』はパコーンと小気味いい音を立てて壁から跳ね返り、無残に畳に転がり落ちた。



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