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第5話番外編 (ページ7/13)

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「食べていいからッ!!」
「お前、食わないのか?」

食うか、ボケェッ!!

「いらないッ!!」
「そうか」

ネジは短く答え、「じゃあ遠慮なく」とカツ丼にかかるラップをはずした。

「いただきます」

律義に両手を合わせた後、ネジは半分に折れた短い割り箸で器用にもカツ丼を食べはじめた。

マジで食うのか、お前はぁぁあッ!!

瞳孔を見開き、ネジのカツ丼を食べ進める姿を眺めていると、ネジが口の中をカツでいっぱいにしたまま声を発した。

「で、ぞごにあいっでるのあばんば?」
「はい?!」

何を言っているのかまったく理解不能なネジをマジマジと見つめ、きびしい突っ込みを返す。
ネジはもぐもぐと咀嚼し、8秒後、ようやく空になった口で、ついでに口元にご飯粒なんか付けちゃった顔で、もう一度同じ台詞を繰りかえした。

「だから、そこに入っているのは何だ?」

やっと聞きとれた言葉と、さらにネジが段ボールの内部を顎で指すしぐさで、私はまだ、箱の中に何か荷物が残っているのだと気づく。
口の横にご飯粒つけちゃってるネジの姿は確かにレア過ぎて気になりもするが、でも、もう、そんな些細なことに構ってる場合じゃなかった。
今はなにより箱の中身のほうが重要なのだ。



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