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episode.19 (ページ3/3)

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ったく、もぉーー。
もうちょっと私に対して優しくしてくれてもよくない?!

私は洗ったばかりの洗濯物を物干しざおに干しながら、ブチブチとひとりごちた。

契約とは言え、一応、私は恋人役なんだしぃー。
少しは大事にしてくれたって……。

ネジの冷たい態度に妙に腹が立つ。
それと同時になんだかやけに寂しい気分に襲われて、私は洗濯物の最後の一枚を竿に干すと、自分のそんな気持ちを空に飛ばそうとするみたいに、ネジの白い着物をパンパンと勢いよくはたいた。
着物のしわをキレイに伸ばし、空を見上げれば、そこからは眩しいくらいの青さが降ってくる。
今頃、ネジはヒナちゃんと修業中だろうか。
空の青さの中にネジの顔が浮かんで、私は慌てて目をそらした。

いいもん、修業くらい、一人でできるもーん。

口を尖らせながら、空になった洗濯かごを手にかけたとき、横から不意に声をかけられた。

「名無子さん」

ハイ? と思って目をやれば、私の指導教官、妖怪青武フミが立っている。

「な、なんでしょーか?」

イヤな予感抜群の気配に、私の口も感度良くどもってみせる。
日向家のオババは、1000年生き抜いた妖怪がこれから食おうとする人間を前にしたような面で私に笑いかけた。

「次のお仕事、お願いしますよ」
「……ヘ、ヘィ」





to be continued.
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