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episode.18 (ページ2/3)

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このあたりから記憶の輪郭がことさらボヤけていく。
今さらそれを再構築するなんて、どうあがいても不可能そうだ。

きっと、あのあと俺は名無子と別れて部屋に戻り、布団を敷こうとしたところで力尽き、毛布一枚をかぶって寝入ったんだろう。

一番有り得る可能性を提示して、一応の納得を自分自身に押し付ける。
でも、いくらそうだと予測をしても、ハッキリしない昨日の記憶はひどくモヤモヤしていてスッキリしない。
俺が漏らした弱音を聞いて、アイツがどんな反応をしたのかも気になる。

いつも俺がやるように鼻先で笑い飛ばされたんだろうか。
それともあからさまに馬鹿にされたか。
あるいは冷たくあしらわれたか――。

いろいろとアイツらしいレスポンスを想像してみるものの、どれもしっくりこない気がした。
それどころか、なぜか俺の心の中にはやけに満たされたような感覚が残存していて、俺は慌てて頭を振った。

よそう。
不確かな推測を重ねてもムダなだけだ――。

俺は勢いよく立ちあがると毛布をたたみはじめた。
毛布を押入れに片付け、何気なく目を転じた先は部屋の出入り口だった。
そこに置かれているものに俺の目が留まる。
洗濯ものだ。



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