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episode.13 (ページ1/3)

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会いたくなった。
カカシ先輩に。
今すぐ。





私は火影邸を出ると直ぐにカカシ先輩の姿を探して走った。
今までこんなふうに探したことなんてなかった。
会いたいと思ったことなら数え切れないくらいある。
でも、好きであれば好きであるほど実際に本人を前にしたときに何か失態を演じてしまうんじゃないかって不安感も大きくなる。
うまく話せなくて先輩につまらない思いをさせたらどうしようとか、それ以前に私なんかにつかまること自体が迷惑だったら……なんて、ネガティブな方向にだけは好きなだけ落ちていける。
人から持ちかけられた恋相談なら、そんなの考えすぎ! 積極的にいこうよ! って間違いなく勇気づけるのに、いざ自分が当事者になってしまえばそうはいかない。
嫌われたくない気持ちが先に立ち、探してまで会うということに怖じ気づくばかりだ。
それが、今日は違ってた。
嫌われるとか、どう思われるとか、そんなことに気がまわらぬくらい先輩に会いたくて、何かを伝えたくて胸が弾ける。
どうしてもあの人に会いたくて、私はいたる所を探してまわった。





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