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episode.40 (ページ1/4)

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振り向けば、臨戦態勢の忍が三人、私たちをそれ以上行かせまいと身構えている。
どの男も殺気をたぎらせ、射殺さんばかりにこちらを睨みつける。

このまま、逃がしてはもらえないって雰囲気ね……。

私は奥歯をグッと噛みしめて、カカシ先輩に視線を移した。
カカシ先輩の形のいい眉が苦しげに寄せられている。
きっと先輩もどうすべきか必死に考えているに違いない。
だが、戦わずに逃げるというのは無理だろう。

であれば、やはり戦闘――。

案の定、私のうかがうような視線の先で、カカシ先輩が動きを見せた。
敵忍から目を離すことなく、スッと両手を合わせ、寅の印を組む。
続けて次々と手際よく結ばれる印を目で追い、私にもわかりはじめた。

寅の印、それに続くこの印の組み方は、きっと火遁豪火球……!!

私の予想を肯定するように、鮮やかに印を結び切ったカカシ先輩の口から激しい炎が吐き出された。
間髪いれず、私も両手を打ち合わせる。

「風遁烈風掌!!」

カカシ先輩の火遁をさらに燃え上がらせるため、私は炎を後ろから自分の風遁を加えこむ。
私の風遁に後押しされて、先輩の火遁は勢いを増し、

「グァッ!!」

敵の一人が大きな悲鳴をあげて炎の中に飲み込まれた。



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