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episode.37 (ページ1/7)

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油隠れの里に潜りこんだ私たちは、慎重に諜報活動にあたった。
その慎重さが効を奏し、私たちの侵入はまったく露呈せず、実に順調に情報収集をおこなえた。
そして、それら有益な情報で巻物をいっぱいにできたとき、いざ木の葉の里へ戻ろうと油隠れの里を後にすることになった。
しかし、その直後、今までうまくやり過ごせていた油隠れの忍達がついに私たちの存在に気づいてしまったんだ。

「木の葉のネズミが紛れ込んでいる!! つかまえるぞ!!」

追撃の手は激しく執拗で、私たちはどんどん窮地に追い込まれていく。
今も敵の追手をなんとか振りきり、茂みの陰でふたり、息をひそめて隠れているところだ。
先輩も私も嫌な汗をかきながら肩で息をしていた。

どうしよう。
敵の追跡が厳しすぎる。
どうやって振りきれば……?

懸命に敵地からの脱出手段を模索する私の横で、カカシ先輩も身を屈め、隙のない視線を辺りに走らせている。
いつ、どこから攻撃されてもおかしくないひっ迫した状態。
ふたりして片足立てた姿勢でいるのはいつでも動きだせるようにするためだ。
息苦しくて押しつぶされそうなほど、状況は私たちを圧迫してくる。



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