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episode.25 (ページ1/6)

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「諜報、ですか」

綱手様の告げた任務内容に、俺は一言そうたずねた。
窓辺に佇み、腕を組んだ綱手様が外に目をやり、あぁ、と頷く。

「油隠れの里は知っているな?」
「えぇ」

油隠れの里は火の国からそう遠くはない西方に位置する忍里だ。
さほど大きい里ではないし、わざわざ諜報に入る理由はないはずだった。
だが、それを綱手様の声が破る。

「実はその油隠れの里に不穏な動きありと噂が入ってな。すでにうちの忍は送ったんだが、そいつらがまだ帰ってこないんだよ」
「帰ってこない? 侵入部隊はいつ出発したんですか?」
「もうかれこれ二カ月ほど前になる。確かに奴らとは最初の連絡がなかなか取れなくてな、そのことからもかなり現状がひっ迫していたのはわかっている。だが、一度連絡が取れたあとは三日に一度の定期連絡を必ず寄こし、こちらとしても安心していたんだ。それがここ十日ほど途絶えている」

定期連絡が十日間も……。

帰還どころか連絡さえつかないというのはどう考えてもおかしい。
いやでも推測は負の方向へと傾いた。

「では、その部隊……」



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