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episode.17 (ページ3/6)

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どこか遠くを見つめるような先輩の横顔に私はハイと微笑んだ。

「いっつもつきあってもらいましたよね、カカシ先輩に」
「そうそう。なのにヤマトときたら、毎晩決まって……」

爆睡、とふたりシンクロした声に私たちは顔を見合わせ笑い声を漏らした。
忘れたことなんてなかった。
暗部時代いつもカカシ先輩が修業につきあってくれたこと。
先輩にもテンゾウにも気づかれないように抜けだして修行してたはずなのに、カカシ先輩だけはいつだって誤魔化せなかった。
私の行動にちゃんと気づいて、いっつも修行につきあってくれた。
今でもそれは私の中で宝物みたいにかけがえのない思い出として私の弱さを支え続ける。

「ずいぶん成長したんだな、名無子は」

不意に声をかけられてパッとカカシ先輩の顔を見る。

「見違えた。あれほど千本に苦戦してた昔のお前が嘘のようだよ」

カカシ先輩が茶化すように笑って、

「も、もう……そんな古い話、恥ずかしいですよ」

私は思い切り赤面する。



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