With
episode.16 (ページ4/4)
「すっげぇー!! すっげぇー!! ヤマト隊長も名無子の姉ちゃんもマジすげぇーってばよ!! あっという間に片付いちまったじゃんか!!」
いや、そんな、と私が口を開きかけたとき、カカシ先輩があきれたようにナルトくんに答えた。
「当たり前だ、ナルト。だからお前に手を出すなって言っただろう? この二人に任せればあのくらい一瞬で終わるさ。なんてったって俺の後輩だ、優秀に決まってる」
そう言ってカカシ先輩がこちらを向いた。
その表情がほんの少し翳りを帯びているように見えたのは気のせいだろうか。
……カカシ先輩?
私は首を傾げる。
でも、やっぱり私の思い違いだったらしい、瞬きしてから見上げたカカシ先輩の表情はまったくいつも通りの柔らかなもので、敵を始末した私たちに、「よくやったな」とニッコリ笑いかけていた。
その笑顔に気持ちがあっけないほど簡単に飲みこまれていく。
今感じた翳のことなどすっかり心の外に押しやられ、ぽわぽわぽわっとした幸せが胸の芯から埋め尽くす。
褒めてもらえた……。
ずっとずっとカカシ先輩のように強くなりたくて修業してきた私のがんばりがちょっと報われた気がして、私ははにかむように微笑んだ。
to be continued.
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