With
episode.15 (ページ2/3)
取り立ててめずらしくもない話に俺が素直にうなずくと、
「じゃあさ、じゃあさ、やっぱり名無子の姉ちゃんもヤマト隊長やカカシ先生みたくスゲェ強ェーんだな!」
ナルトが嬉しそうに笑う。
「ま、暗部に配属されるくらいだからね。名無子も十分強いよ」
「すげぇーー!!」
ナルトは感心したようにサクラのさらに前を護衛役として歩いているヤマトと名無子の後ろ姿を見つめた。
ヤマトと名無子が肩を並べて歩く姿は恋人といってもおかしくないほどしっくりしている。
ときどき笑い合う姿も、ヤマトから注がれる優しい視線もそれを受け止める名無子の表情も信頼感に溢れていて、俺が暗部を抜けてからもこの二人が一緒に助け合ってきたことを目の当たりにした気がした。
『僕だって、これでも一応がんばってんですから』
そうだなと思う。
ヤマトはきっとずっと名無子のそばでアイツを支え続けてきたんだろう。
そんなふうにがんばってきたヤマトをいつもなら応援するはずなのに、なんでか俺はちょっとだけ羨ましくて、妬ましくて、胸の真ん中がジリッと焦げた。
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