With
episode.12 (ページ4/4)
だって、そうすれば、自分より強ければ、きっとその人を失わないで済むもの―――。
何人も何人も自分のまわりに大切な人たちの屍が積み上がっていく世界で、カカシ先輩はいつも一人残されてきた。
だからもう自分の大事な存在を失わないでいいように、自分よりも強くて自分よりも先に死ぬことのない女性を好きになろうって、そんな決まりをどこかで課せていたんだろう。
いつも辛いことなんてこれっぽっちも存在しちゃいないような顔で笑うカカシ先輩。
その笑顔に私の胸が激しい痛みで軋みをあげる。
カカシ先輩……。
心が大好きなカカシ先輩への想いで溢れそうになったとき、綱手様が力強く告げた。
「カカシにとってはお前もヤマトも大事な後輩なんだ。いろいろ大変な任務に出てもらっているが、カカシを悲しませるような凶報だけはもたらしてくれるなよ」
綱手様の視線をしっかりと受け止めて、
「はい」
私は確かな返事を返す。
私はもっと強くなる。
強くなって強くなって。
絶対にカカシ先輩を悲しませることのナイ女性になる―――。
to be continued.
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