With
episode.11 (ページ3/4)
「いいと思うよ、俺は」
「え?」
何のことかわからず視線を向けると、その先でカカシ先輩は穏やかに言葉を続けた。
「お前たち二人。似合ってると思うけど」
「ホントですか?」
「あぁ。だって、一生懸命な子好きなんでしょ、お前? だったらピッタリじゃない、名無子」
「そりゃあ、まぁ……」
そこで僕は、でも、と目を伏せた。
「名無子のタイプは……風みたいな人、ですよ?」
風みたいな人。
暗部の任務で一緒だったとき、名無子が言ってた好みのタイプ。
それは決して僕じゃない。
僕なんかじゃなくて……。
カカシ先輩、それはアナタのことなんだ―――。
そんな僕の気持ちに気づいていないのか、カカシ先輩はちょっとだけ考える素振りを見せると、
「んー、そうだったっけ? まぁ、でも、平気なんじゃナイ、ヤマトなら?」
なんて軽い調子で先を続けた。
「お前のその好きな人を大事に支えてやれる性格はスゴイと思うよ? きっと名無子も好感持ってるって」
「そぉですかね……?」
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