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episode.11 (ページ2/4)

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初耳の情報になんとも答えられずにいると、カカシ先輩は僕の顔をのぞきこんだ。

「名無子から聞いてないの、ヤマト?」
「えぇ」

素直にうなずくと、カカシ先輩は出来の悪い弟をせっつくような口調で告げた。

「何、チンタラしてんのよ」
「え?」
「ったく、サッサと落としちゃいなさいよ、名無子のこと」

僕はマジマジとカカシ先輩の顔を見つめた。
この人は、本当にシレッとした顔でいろんなことに気づいてしまう。
僕の名無子に対する気持ちだって、いつのまにか見破っていて、今もこんなふうに背中を押してくる。
そんなカカシ先輩に、僕は困った表情を浮かべて返した。

「簡単に言わないでくださいよ。僕だって、これでも一応がんばってるんですから。それに……」

そこまで言って、僕は言葉を止めた。

「それに?」

続きを促すように首をかしげたカカシ先輩に、

「……いえ、なんでもないです」

僕はそう言うと、ショーケースに目を落とした。
何も言わずジッと時計を見つめる僕の横で、ふいにカカシ先輩が口を開く。



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