With
episode.09 (ページ1/4)
ジリリリリ……と、ベッドサイドで鳴った目覚ましを止め、私はベッドの上に起き上がった。
早朝の自室、カーテンの隙間から洩れこむ光を受けながら、私はするりとベッドを降り、そのままパジャマを脱いで、手早く服を身につけた。
ただ、今朝は、いつも着ている暗部のノースリーブではなくて、長袖のトップスにベストを着こみ、普通の上忍スタイルに仕上げる。
今日は暗部の任務と関係なく、五代目綱手様に呼ばれている。
だから、これからこの通常の上忍スタイルで、火影邸まで行くというわけだ。
着替えを終えた私は、ポスンッとベッドに腰掛けた。
サイドテーブルの目覚ましと一緒に置かれているフォトフレームをそっと手に取り、眺める。
そこには、もうかれこれ5〜6年も前のカカシ先輩とテンゾウと私の若かりし姿が映っている。
目を真っ赤に泣き腫らし、懸命に涙をこらえる私を真ん中に、向かって左には、その私を心配そうに気遣うテンゾウが、右側には、私の頭をグシャリと撫でて、困ったように笑ってるカカシ先輩がいる。
この写真を撮った日を最後に、カカシ先輩は火影様からの異動命令で暗部を抜け、上忍業務に就くことになった。
懐かしいな。
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