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episode.08 (ページ6/7)

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「……ん? 何、テンゾー?」

不思議そうにたずねるカカシ先輩の声が聞こえ、目をあげると、

「いえ。なんでもないです」

カカシ先輩を見つめていたらしいテンゾウが、その先輩の顔からフッと視線をはずす姿が見えた。
テンゾウの、さっきと全く違う硬い表情が気になりつつも、私はカカシ先輩に目を向け、口を開く。

「最後はカカシ先輩の番ですよ。先輩はどんな人がタイプなんですか?」

懸命にいつも通りの顔を作りながら、その下で、私の心臓はもう激しく収縮と拡張を繰り返している。
どくどくと流れる血液のわずらわしい感覚に耐えながら、私はカカシ先輩の言葉を待った。
あぁ、俺? と、相変わらず、のほほんと私たちを見つめ、カカシ先輩がふわりと笑う。

「俺は、そりゃ、自分より強い人。そんで、戦いのときに俺を守ってもらうの。楽でいいじゃない?」

肩すかしとも言えるその回答に、テンゾウがあきれた顔をした。

「まったく、何言っちゃってるんですか、カカシ先輩。そんな人、めったにいるわけないじゃないですか」
「え、そう? そうかなぁ?」
「そうですよ。カカシ先輩、自分がどんだけ強いかわかってます?」
「んー、まぁ、結構強いよね、俺」

その返事にテンゾウが苦笑した。



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