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episode.08 (ページ3/7)
当然と言えば当然のことだけど、それを改めて実感させられるのは、やっぱりちょっと心が沈んだ。
どんな女性になったら、カカシ先輩の妹じゃなくて、彼女って立場になれるんだろう……?
そんなふうに真剣に思っていると、カカシ先輩は困ったように天井を仰いだ。
「あーぁ、せっかく誰かにイチャ話させようと思ったのに。全員フリーじゃ、そうもいかないか。つまんないなぁ。んじゃ、ま、代わりに好みのタイプ、いこっか」
困惑顔から一転、パッと目を輝かせ、視線をよこす先輩に、テンゾウが顔をしかめて聞きかえす。
「はぁ? 好みのタイプですか?」
「そうそう。あるでしょ、こーゆう人が好きとか、あーゆう人がいいとか」
「そりゃ、ありますけど…でも、ここで言うのはちょっと……」
「ちょっと、何?」
「は…恥ずかしくないですか?」
「あっ、そう。わかった。じゃ、テンゾウは抜きね」
そう言うと、カカシ先輩は私にニッコリ微笑みかけた。
「俺とサザンカで盛り上がろうねー。テンゾー、お前、隣の部屋で寝ていいよ」
カカシ先輩はテンゾウに、指で隣の部屋を指し示す。
「えぇっ?! そ、そんな……!! わ、わかりましたよッ、言いますから!! 僕も仲間に入れてくださいよ!!」
仲間はずれはイヤとばかりに泣きつくテンゾウを見て、カカシ先輩は満足そうな声をあげた。
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