With
episode.07 (ページ8/9)
って、ゆーか、あのォー……。
オーバーなんですけど、話が。
厚焼き卵ですよねぇ?
コレ、厚焼き卵の味付け話ですよねぇ?
なんで、こんなに真摯に話し合ってるの、この二人?!
若干、心の中で突っ込みを入れ始めた私の前で、今度はテンゾウが真面目な顔で呟く。
「いや、あの、カカシ先輩……。先輩がそんなふうに思ってくれてるなんて……。僕も後輩のくせに生意気なことばっかり言ってすみません。いいんです、卵焼きは砂糖入りで」
「テンゾウ、いいんだ、塩で」
「いえ、先輩、砂糖でいいですって」
な…なに?
このやり取り?!
砂糖でいい、塩でいい、って、なんか喫茶店のレジ前で会計を払いあおうとするオバちゃんみたいな光景だよ?!
そんな私の胸中などお構いなく、テンゾウは真剣な声音でカカシ先輩に告げる。
「僕は甘い厚焼き卵でも食べれますから。ホント、大丈夫です」
その言葉に、カカシ先輩は申し訳なさそうに目をあげた。
「本当にいいのか、テンゾウ?」
「えぇ、もちろんですよ」
「すまないな、テンゾウ」
「ほんとにいいんですって。じゃ、もう、この話はこれで終わりです。さ、さ、お弁当食べちゃいましょう!!」
そう言って、テンゾウは再びお弁当をバクバクと食べ始めた。
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