With
episode.07 (ページ5/9)
それだけで私の心はきゅうっと締めつけられる。
なんか、もう、早起きして作ったお弁当の大変さなんてどうでもよくなるくらい、胸の中が満たされて、カカシ先輩が喜んでくれたのならそれでいいやなんて思う自分がいる。
そんな私の前で、カカシ先輩はまたいつものようにつかみどころのナイ笑顔に戻り、
「そうだ! お弁当には欠かせない卵焼きを食べなきゃなぁ」
そう言って、黄色い厚焼き卵へと箸を伸ばした。
それを見て、テンゾウも、
「あ、僕も食べます」
一緒になって、厚焼き卵を箸で取る。
パクリッと二人同時に口に入れ、次の瞬間、
「うまいッ!!」
「うぐッ!!」
二つの声があがった。
カカシ先輩のうまい発言は良しとして、
うぐッ?
うぐッ、って……?
私はテンゾウの呻き声に首を傾げた。
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