With
episode.05 (ページ5/5)
「千本にはあたってないな? 針先には毒が塗ってあるかもしれない。掠りでもしたら厄介だ」
「ハイ、大丈夫です」
「そうか」
私の返事に、カカシ先輩は安心したように私の頭をポンと叩いた。
たったそれだけのことなのに、妙に満たされて、なんかとっても嬉しくなる。
私がそんな気持ちを抱えてカカシ先輩を見つめていると、タタッと軽い足音を響かせて、トラの面をつけたテンゾウがこちらに駆けてきた。
「すいません、ちょっと手間取っちゃって」
私たちのそばまで来ると、テンゾウは体についた埃や汚れを元気にはたいた。
その姿はひどく余裕で、私はスゴイなと素直に感心した。
テンゾウはこの暗部で、私なんかよりもずっと活躍してる。
今だって、相当てだれの敵を難なく倒しているし、他の任務のときだって先輩との連携プレーを実にスムーズに決めてしまう。
私も頑張んなきゃな。
せめて先輩に助けてもらわなくても済むようにならないと。
今日の不甲斐ない姿を思い浮かべ、自分を戒めていると、私の横でカカシ先輩が口を開いた。
「全員、無事そろったな。よし、このままもう少し今日の行程を進める」
「「ハイ!!」」
私たちは三人、勢いよく地を蹴った。
to be continued.
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