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episode.05 (ページ2/5)

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「風遁・風切りの術!!」

印を組み、私は目の前の敵に容赦なくカマイタチをぶつけた。
その右側でカカシ先輩が、左側ではテンゾウが、距離を置いてそれぞれの敵に対峙している。
でも、確認できたのはそこまでだ。
私は自分の敵との戦いで精いっぱい、それ以上ふたりの様子にまわせる意識なんて少しもなかった。
ちょっとでも気を抜けば、すぐにやられる。
ちょっとでも立ち止まれば、敵の忍具のいい的になる。
私は追い立てられるように足を動かし、応戦していた。
敵から投げられたクナイを器用にかわし、さらに襲いかかる手裏剣も後ろへ飛んでよけたとき、着地した地面が待っていたと言わんばかりのタイミングでボコリッと盛り上がった。
土の下から、今まで私に忍具を投げつけていた忍の顔が現れる。

クッ、土遁!!

しかも土中から現れたこっちの忍が本体で、ずっと私が相手していたほうは影分身らしい。
どうやら分身は、私をこの位置に誘導するために攻撃していた単なる囮役にすぎないようだ。

なめたマネをッ……。

私は、地中から私に向かって伸ばされた敵の手を振り払い、上空へと飛びあがった。
クナイを指に挟んで地面の敵に投げたと同時に、視界の端で何かがキラリと光る。
ふッとそちらに目を向ければ、分身の個体が投げたらしい数本の千本が、細い線のように、私めがけて飛んでくる。



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