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episode.04 (ページ7/8)
その姿に、隣に座っていたテンゾウが声をあげる。
「あっ、ちょっ…先輩、自分だけズルイですよ! 僕の分はどうなるんですか!」
「残念だったね、テンゾー。お前の分は、サザンカが食べちゃったから、ナシね」
「って、そんなぁー。先輩の分、僕にも半分わけてくださいよぉー」
「やだ。これは俺が一人で食べるの。お前はナシ」
カカシ先輩は甘夏を、テンゾウから守るように頭上高くにあげ、テンゾウはテンゾウで、甘夏を奪おうと手を伸ばす。
「こらこら、やめなさいってば、テンゾー」
「カカシ先輩こそ…ください、ってば!」
目の前でガシガシともがく二人を、私はあわてて止めに入った。
「ちょ、ちょっと、二人とも!! やめてってば!!」
私はいそいで自分の食べかけの甘夏を半分、テンゾウに差し出した。
「ほら、テンゾー。私の、半分あげるから」
その声に、今までカカシ先輩に襲いかかっていたテンゾウが、私のほうを振り向いた。
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