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episode.42 (ページ2/4)
綱手様が教えてくれたのは、カカシ先輩に頼んだ任務のこと、それが非常に難易度の高いものであり、それに名無子もついていったというものだった。
感情を一切交えず淡々と話していく綱手様を見つめ、僕の体からどんどん血の気が失せていく。
最後まで話を聞き終えたときには、体中が酸欠と言わんばかりに、心臓が物凄い速さで脈打っていた。
「そんな……」
僕はそう漏らしたあと、弾かれたように叫んだ。
「そんな高ランクの任務に二人でむかったって言うんですかッ?!」
声を荒げ、噛みつく僕に、綱手様は冷静な一言を放つ。
「落ちつけ、ヤマト」
「でもッ!!」
綱手様の抑圧の言葉もむなしく、僕は責めるような勢いで、感情まかせに言葉をつづけた。
「そんな危険な任務に二人でなんて無謀すぎますよ!! なんで二人だけで行かせたんですか!!」
火影に対峙しているという意識なんて飛んでしまっていた。
僕は礼儀も何も関係なく、攻撃的な目つきで睨みつけた。
僕の不満もあらわな言葉と瞳を受けても、綱手様は怒りなど少しも見せずに、そっと答えた。
「最初はカカシ一人だったんだ」
「カカシ先輩ひとり……?」
「あぁ。必要な仲間を連れていくよう言ったんだが、自分ひとりで行くと言い張ってな」
綱手様の意外な説明に声を失った。
先輩がひとりで……?!
なんだって、そんな無茶なことを……!!
僕の知ってる先輩は、そんな命知らずな作戦を立てるような人じゃない。
そんな人じゃないのにッ……!!
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