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episode.04 (ページ5/8)

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私はカカシ先輩からもらった甘夏を一つ手に取り、指先に力を込めて皮をむく。
果皮を指で破った瞬間、柑橘系の明るくて甘酸っぱい香りが眼前に漂って、その香りを、私は胸いっぱいに吸い込んだ。
さわやかなシトラスの香りが、今まで感じていた血の臭気をかき消すように私の体を包み込み、私は無意識のうちに、胸の中で大きく息をついた。

よかった……。
血の匂いが消えていく……。

甘夏の外皮とともに、中の薄皮も丁寧に剥ぎ、私はオレンジ色したキレイな小房をパクパクと食べ始めた。

「どう? おいしい?」

カカシ先輩に声をかけられ、

「ハイ、とっても!」

元気に答えると、

「そう、よかった」

カカシ先輩は私を引き込むあの笑顔で、ほわりと笑った。





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