With
episode.41 (ページ4/5)
「誰かと思えばお前か、カカシ。久しぶりに会ったというのにずいぶんな挨拶だな」
「久しぶりの再会を喜び合うほど、俺とお前は仲がいいわけじゃないんでね」
「ふん。俺を気に食わないのは変わってないらしいな。だが、こんなふうに押さえつけられるのは初めてだ。何をそんなに怒っている?」
「別に」
素っ気なく答える先輩に、雪牙はふと窺うような視線を見せる。
「その女を舐めたのが気にいらなかったか?」
「……お前に答える気は、ない」
雪牙はクククッと口元を歪めた。
「図星らしいな。もしかして、嫉妬か? お前、その女に惚れでもしたのか? 以前はそんなふうに見えやしなかったがな。ウグッ……!!」
カカシ先輩の腕に力がこもり、雪牙の首を一層絞めあげる。
「なぁ、雪牙。このままお前の首をへし折って、殺してやろうか?」
相変わらずの無表情さに、私は、カカシ先輩が本当に雪牙を殺してしまうんじゃないかと心配になる。
二人の異様な空気に気圧され、身動きできないでいた私も、先輩の本気の殺意にようやく我に返った。
「カカシ先輩ッ……」
先輩の左腕に、飛びつくようにしてすがる。
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