With
episode.41 (ページ2/5)
「――ッ!! なんだ、この水は?!」
敵の男はうわずった声で叫んだ。
腕を動かしたところで体に付いた水滴はまったく落ちる様子もなく、服にねっとりと付着したままだ。
水たまりに浸かった足にいたっては、そこに固定されたかのように動かせないでいた。
その姿に、私は心の中で呟く。
水遁水飴掌原。
私が巻物から出した水遁はチャクラを水飴に変換して撒き散らす術、水遁水飴掌原だった。
一見、普通の水に思えるあの水たまりも、実際はチャクラを練りこまれた水飴だから、足を取られてしまうとなかなか身動きできない。
この隙に、カカシ先輩!!
敵から移した視線の先では、既にチリチリと発光する青白い光が出来上がっていて、その電光に照らされたカカシ先輩が大きく宣言する。
「雷切り!!」
間髪いれず、先輩の右手から電気的な高音を発する光の群れが獰猛な狼の形となって、敵の忍に襲いかかった。
「ヒッ……ヒィッ――!!」
逃げる間なんてあるわけない。
雷のような速さで走った雷切りは簡単に男の体に直撃し、くらった忍は膝からガクリとくず折れた。
戦いの終結だ。
その事実にホッと息を吐いたとき、ひとつの影が私のそばに近寄ってきた。
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