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episode.40 (ページ4/4)

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確かに自分で始末すれば済む話だが、私がこれ以上、深追いして、カカシ先輩から離れたり、時間を費やしたりするのは好ましい状況とはいえないだろう。
ただでさえ、体力や忍具は極限近くにまで消耗している。
離れ離れになって戦うことは相手を倒すまでに時間もかかり、体力、忍具の消費も増える。
それは私たちにとって不利以外のなにものでもない。
だったら互いに近くで戦って協力し合い、早急に相手を倒すほうが、ふたりのチャクラや武器の無駄な消費を防げるはずだ。
そのためにも私は雪牙を口寄せし、遁走する敵の相手をさせようと試みるのだが、雪牙は私の頼みなど軽く鼻で笑い飛ばした。

「そんなことで俺を呼ぶな。第一、追いかける相手がわからない。どうやって仕留めるんだ」
「相手なら追えるわ」

私の返事に、雪牙がめんどくさそうに視線を寄こした。

「相手は私の血のついたクナイを持って逃げてる。私の血の匂いなら追えるでしょう?」

雪牙なら傷ついた体で私が何度も呼びだしたことがある。
その際、私の血の匂いを嗅ぎ、覚えているに違いない。
わざわざよけられるクナイをよけもせず、顔に傷まで作り、相手にクナイを返してやったのは、いざというき雪牙が敵を追えるようにしておくため――。

「フンッ。ずいぶん準備のいいことだ」

雪牙は私から目をそらし、

「仕留めた獲物は食わせてもらう。今日はそれがお前の代わり。見返りだ」

おもしろくなさそうに吐き捨てると、大きな前肢を踏み出し、一瞬で目の前から駆け去った。





to be continued.
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