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episode.40 (ページ2/4)

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うまく逃れた他の忍二人も、やられた仲間の声に触発され、ものすごい剣幕で私たちに襲いかかる。
一人はカカシ先輩に、もう一人は私に向かって走りこむ。
私めがけて突進してきた忍は、駆けながら巻物を開くと、そこから忍具の嵐を撒き散らした。
私はあらゆる方向から飛んでくる忍具を手にしたクナイで器用に弾き、かわしていく。
いくつもの金属具が一瞬にして私のまわりに撃ち落とされた。
敵が慌てて二本目の巻物を開いた。
でも、結果は同じだ。
いくら忍具で攻撃したところで、私は右手のクナイ一本で弾き返し、よけるだけ。
唯一、敵の最後の武器だけは私の頬をかすめることができた。
右の頬から首筋にかけてかすめたそれを、私は体をよじって追いかけ、左手でガッとつかんだ。
左の手のひらに伝わるクナイの柄の感触と、右顔面下部に走る鋭利な痛み、それと同時に頬を伝う血液の生温かさが生まれる。
自分の血をぬぐうこともせず、敵の忍をギリッと睨みつければ、相手はビクリと肩を揺らし、ジリジリと後ずさって、そのまま踵を返した。

ただで逃げられると思わないでよ?!

逃げ出すソイツを追いかける。
自分のクナイをホルダーに戻し、左手に残るクナイを握りしめたとき、相手の男は木の上に駆けあがろうとした。
その足首をグッとつかんで引きずり降ろし、とどめを刺そうとしたら、逆の足が蹴り込んできた。
チッと軽く舌打ちし、左腕でガードに入る。
蹴りの衝撃を吸収したあと、その足をいなして、

「クナイ、返してあげるわよ」

ソイツの忍ポーチに左手のクナイをねじ込み、私は力任せに相手の体を放り投げた。



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