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episode.39 (ページ2/2)

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木の陰に隠れ、様子をうかがう俺の胸がひどくしめつけられる。
アイツの見せるこういう真っ直ぐな表情がすごく好きだ。
俺のことをいつだって信じ切ってるその眼。
なにものにも揺るぐことなく、一途に俺を信じてくる名無子の強い瞳。
それを俺は守りたくて、離したくなくて、――何よりも愛してる。
俺ははやる鼓動を抑えようと息を吐きだしたあと、足元の土を蹴った。
木の陰から突然現れた俺の気配に、敵の忍はハッとして、名無子から俺に視線を向ける。
その一瞬を見逃さず、名無子は顔面の武器を右手で思い切り弾き飛ばして俺を見る。
名無子の目にうなずくように視線を返し、今度は俺が敵の腹部にこぶしを決めた。

グハッ!!

走り込んで決めたこぶしはかなり重く、敵の忍はそのまま前のめりに地面に崩れ落ちた。

「名無子、大丈夫か?」

即座に声をかけた俺に、名無子が首を縦に動かした。

「ハイ。それより他の敵は……」
「俺の分身が引きつけてる。だが、それも時間の問題だ。誰かが来る前に行こう」

俺らはすぐにその場から駆けだそうとした。
だが、そのとき、背後から声がかかった。

「逃がしはしないよ!!」





to be continued.
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