With
episode.37 (ページ6/7)
ドクドクとはやる胸を押しのけて、
「後悔なんてしません」
私はそう言いきると、カカシ先輩に思い切り強いまなざしを向けた。
「一生そばにいてすっごく長生きして、私はカカシ先輩を守るんです!」
『自分より強い人。そんで、戦いのときに俺を守ってもらうの』
先輩のその言葉を叶えるために、私は頑張ってきたんだから。
後悔なんてしないよ、カカシ先輩――。
そう思った瞬間、グッと肩を引き寄せられた。
勢いよく倒れ込んだ私の体を抱きしめて、カカシ先輩が私の唇を奪うように塞いだ。
――――ッ。
押し当てられた唇の弾力と熱に、私の目の前が真っ白になる。
カカシ……先輩……?
いつものカカシ先輩からは想像できないくらい強引で、まるで襲いかかるようなそのキスは、ひどく熱くて激しくて、私の体を、頭を一瞬で貫いていく。
そんな私をカカシ先輩の唇はもっともっとと言うように深く強く求め続ける。
息苦しくなるくらい、もう二度と離してもらえないんじゃないかと思うほどの長い時間、私たちは唇を重ね、それからようやく、先輩は私を解放した。
互いの息づかいが容易に感じられる距離でカカシ先輩が静かに言う。
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