With
episode.37 (ページ4/7)
「名無子、カッコ悪いが俺はこの状況でお前まで守れる自信はないよ。お前にはちゃんと里に戻ってほしい。だから……」
私は我慢できずにその言葉をさえぎった。
「先輩は、私が宣言したこと忘れたんですか?! 絶対生き続けるって、私、先輩にそう言ったんです!! あれはウソじゃない! 必ず守ります! だから、先輩のそばにいさせて……私、先輩のそばにいたい……!!」
ずっとずっとそう思ってきた。
大好きな先輩のそばにいたいって。
そのために強くなりたかった。
カカシ先輩に哀しい思いをさせないように強くなって、そうして私は必ず生きて先輩のそばにいる。
それが、私の願いなんだから。
真剣な眼で懸命に訴える私をカカシ先輩は下がり気味の穏やかな右目で包みこむように見つめる。
数秒の沈黙を経て、カカシ先輩が重たい口を静かに開いた。
「取り消すなら、今だぞ」
「え……?」
先輩のひどく真面目な低い声にドキッとする。
軽く目をみはった私を真っ直ぐに見据えて、カカシ先輩は重ねて言った。
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