With
episode.04 (ページ3/8)
「サザンカに何かあったら、僕は……」
その言葉の途中で、ガサリッと近くの茂みが音をたてた。
ハッとして、そちらを見れば、
「カカシ先輩……」
両腕に何かを抱えて立っているカカシ先輩の姿が目に入った。
「よっ。ただぁいま」
ニコッと目尻を下げてそう言うと、カカシ先輩は私のほうに近づいてきて、
「ハイ、サザンカ」
私にその腕に抱えていたモノを差し出した。
え? と思いながら受け取ると、それは丸くて立派な橙色した果物で、
「みかん…?」
右上がりに呟いた単語に、
「んー、みかんていうか、甘夏、かな?」
カカシ先輩がニコニコと答える。
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