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episode.37 (ページ2/7)

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草木を隔てたすぐ前をまたひとつ敵の集団が駆け抜けていくのが見えた。
その一団をやり過ごし、束の間とはいえ、殺気を帯びた空気が失せる。
それでもカカシ先輩は、充分警戒しながら、小声で呼びかけてきた。

「名無子」
「ハイ」

先輩は茂みの向こうに視線を向けたまま、冷静に告げる。

「俺が追手をひきつけるから、お前は先に里へ向かえ」
「――――ッ」

自分を凝視する私の前で、カカシ先輩はベストの胸ポケットから巻物をストンと落とし、事務的にこちらに差し出してきた。

「この情報をお前が綱手様に……」
「嫌です!!」

私はとっさに首を横に振った。

「だって、そんなことしたらカカシ先輩が……!!」

先輩が私を見つめてニッコリ笑う。

「俺なら大丈夫。ほら、俺、強いから。それよりもこのままふたりで戦って、お前にもしものことがあったら……俺はそっちのほうがツライよ」

自分に何かあるよりもね、と小さく、でもハッキリと付け足した。

「先輩……」



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