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episode.34 (ページ2/2)

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あの丘で僕は彼女に言ったんだ。
もう、諦めようって。
カカシ先輩のことはもう諦めたほうがいいって。
でも、考えてみれば、あれは名無子にではなく、僕自身に言わなきゃいけないものだったんだろう。

もう諦めたほうがいい。
名無子はカカシ先輩のことしか、追いかけたりしないのだから。
僕はそういう名無子だから好きになったんだ――。

目を閉じたまま、僕は顔を天井に向ける。

カカシ先輩……。

僕の好きな名無子が風みたいな人と称したあの人がまぶたの裏に浮かぶ。

カカシ先輩、僕にはもう、時計はいらないんです。
そう決めたんです。
この言葉の意味、賢い先輩なら、すぐにわかりますよね?
だから……。

僕は大きく息を吐きだした。

あとは、頼みましたよ、カカシ先輩――。

暗闇に染まる玄関先。
僕は、ひどく冷え込むその場所からいつまでも動けないでいた。





to be continued.
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