With
episode.28 (ページ3/3)
どれだけ嫌われても、やっぱり生きてて欲しい。
嫌われることはひどくつらいけど。
それでもやっぱり私は。
アナタに生きててほしいな、カカシ先輩――。
サクラちゃんに言われたように、カカシ先輩に考え直してくれるよう頼もうと気持ちをかため、私は先輩の顔上に乗る本へと手を伸ばした。
そのとき、バッと音を立てて私の腕がつかまれる。
「――――ッ」
ビックリして息を飲む私の腕はカカシ先輩の手にしっかりとつかまれ、空中に動きを押さえられている。
何か言おうとして私が口を開きかけたとき、それよりも先に草の上に寝転んだままのカカシ先輩が本の下からくぐもった声を発した。
「幸せに、してもらいなさいよ? ……ヤマトに」
「――――」
なに言って……カカシ先輩……。
思わず声を失う私に向かってカカシ先輩はもう一度優しく告げた。
「それで長生きすんのよ? ちゃんと……」
「――――ッ」
カカシ先輩の言葉になにも言えず、私は力任せにその手を振りほどくと、逃げるように丘の斜面を駆け下りた。
to be continued.
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