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episode.23 (ページ3/4)

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クッと肩を揺らして再び涙を落したとき、ひどく静かなヤマトの声が私を包んだ。

「もう、やめないか、名無子?」
「――――」
「名無子がカカシ先輩のことをずっと思ってきたことくらい、僕だって知ってる。でも、もう諦めたほうがいい。僕は名無子のそんな悲しむ顔見ていたくないんだ。ねぇ、名無子。カカシ先輩のことはもう、諦めよう」

穏やかなヤマトの温もりが私の心をいたわるように背中から伝わってくる。
その温もりに、

「ヤマト……」

どこかホッとしながら名を呼ぶと、ヤマトはいつもより硬い口調で呟いた。

「名無子には、僕がいるだろう?」
「え……?」

自分の声と重なって、ドクッと胸が鳴った。
その衝撃にわずかに振れた体をヤマトの胸がしっかりと受け止める。
ヤマトの逞しい胸がさっきよりも熱さを増した気がして、私の体がひどく硬直した。

「ヤ、ヤマ、ト」

狼狽の声をあげる私をぎゅっと抱きしめたまま、ヤマトは彼らしい深く響く低い声で告げた。

「上忍の頃からずっと僕は名無子を見続けてきたんだ。僕なら絶対名無子にそんな顔させないし、大切に守る、必ず」



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