With
episode.22 (ページ4/4)
なんで……。
なんでそんなこと言うの――?
目の前で、私を拒絶するように冷たい無表情を見せるカカシ先輩をただただ呆然と見上げた。
他に大事にする人なんて、そんなの、私、いないよ。
だって、私にはカカシ先輩が誰よりも一番大事な存在なんだよ?
「私は……」
開いた口から言葉が出るのと同時に、自分の目にも涙があふれ出す。
「私は他に大事な人なんていません……。だって、私はカカシ先輩が……」
「だから!!」
私の言葉を遮って、カカシ先輩が声を荒げた。
初めて聞くカカシ先輩の苛立ちを含んだ大声に、私の声がのどにはりつく。
「だから、お前にはヤマトがいるだろう?! いっつもお前を支えてきたヤマトが!! お前はアイツを大事にしろよ、俺じゃなくて!!」
「――――」
目のふちから涙がこぼれそうになる。
それを精いっぱい我慢して私は叫んだ。
「なんで……なんでそんなこと言うんですか……!!」
叫んだ瞬間、涙がボロリと落ちた。
クッと唇を噛み、私はカカシ先輩から顔を隠すように背を向ける。
そして、そのまま駆けだしていた。
to be continued.
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