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episode.22 (ページ2/4)

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初めは気のせいかとも思ったけれど、それはちっとも気のせいなんかじゃなかった。
確かにカカシ先輩は私から逃げていっている。
そのことに、ズキンと私の心が大きな音を立てて痛んだ。

どうして……カカシ先輩――。
私が先輩を避けてしまったから?
それで怒っているから?

だけど、カカシ先輩はそんなこと気にするような人じゃないはずだ。
いつだって、ほんわりと笑ってなんてことない顔で私の情けない姿を洗い流してくれてきたのだ。

だったら、なんで……。

答えの出ない自分の状況に私の気分はどんどん落ちていく。
もうこれ以上、落ちようのないところまで私の心が落下したとき、ついに私たちは木の葉の里に辿りつき、同時にこの任務が終わりを告げた。
大門から里へ足を踏み入れた私たちは、火影邸に任務報告に行くカカシ先輩以外、各自、家へと戻り始める。
その中で私だけが動けないでいた。

このまま家に帰るなんてできないよ。

私は、とっくに火影邸へと向かい、姿の見えなくなったカカシ先輩の後を急いで追いかけた。
火影邸の前まで行って、ようやくカカシ先輩に追いつく。
ちょうど建物の中に入ろうとするカカシ先輩の背中に私は叫んだ。



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