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episode.21 (ページ2/2)

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ずっと好きだったんだ、名無子のことが。
上忍で一緒に任務についた頃からずっと。
僕は彼女を見てきた。
何にでも一生懸命でひたむきで、そんな姿がひどくキレイで力になりたくて、僕は彼女のことを大事に思ってきた。

今さら諦めるなんて、できないよ。

僕は意を決して口を開いた。

「先輩。名無子と……あんまり仲良くしないでもらえませんか?」

その言葉に、僕の表情に、カカシ先輩はすぐさまいつもの顔に戻って、茶化すように笑い飛ばした。

「なんだよ、それ」

そんなカカシ先輩から視線をそらし、僕は正直に告げる。

「不安になるんですよ。先輩に、名無子を取られるんじゃないかって」
「…………」
「情けないですけど、僕は……本気で先輩に嫉妬してるんです」

僕のカッコ悪い言葉たちが通り過ぎる風にのって遠くのほうへと流れていく。
それを見送るかのような沈黙の後、カカシ先輩はやっぱりいつも通りの笑顔を見せて僕に答えた。

「お前に嫉妬されるなんて光栄だな。心配するな。お前が考えてるようなことにはならないから。絶対に」

そんなふうに言うカカシ先輩の姿を僕はじっと見つめたまま、心の中でたずねていた。

カカシ先輩、気づいてますか?
アナタの名無子を見るまなざしも、話しかける声音も、そのどれもが以前と違ってきていることを。
今、アナタが名無子に向ける表情は暗部で一緒だったときのような妹に向けるものじゃない。
一人の女性に対する顔なんだ――。





to be continued.
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