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episode.19 (ページ2/2)

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野営というには立派すぎるヤマトの一軒家も電気や水道が通っているわけではなく、洗顔のためには野外の水場まで行かなければならない。
私は建物にほど近い場所にある川まで行こうと玄関の扉を開けた。
すると、そこでバッタリとヤマトに出くわした。

「あぁ、名無子、おはよう」

私より一足先に川まで顔を洗いに言ってきた様子のヤマトが、タオルを首にかけた姿でちょうど玄関に入ろうとするところだった。

「おはよう、ヤマト」

優しく微笑むヤマトに挨拶を返し、フッと視線を動かす。
その途端、私は息を飲んだ。
ヤマトの隣には肩にタオルをかけたカカシ先輩が並んで立っていた。

「――――ッ」

バッと自分が赤面したのがわかった。
完全に開いたであろう瞳孔を隠すように、私はすぐさま視線をそらし、火を噴いた顔ごと地面に俯かせる。
無言でいるのも不自然だと、震えそうになる声で懸命に挨拶を絞り出した。

「……お、おはようございます……」
「……おはよう」

いつもより真面目なカカシ先輩の声音に、ドクンッと嫌と言うほど大きな音で胸が跳ね、私はその場から逃げ出すように川に向かって急いで足を踏み出した。





to be continued.
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